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ロシア製の飛行機なら翼についている大きなタンク状のものに車輪を収めるような設計をしていたかもしれない。しかしU-2Sのこれは、スーパポッドという偵察機材がぎっしり詰まった「機器庫」に相当するもの。細い胴体にはエンジンが入っている為、車輪は長い両翼の付け根に近い所につければ本来一番安定するのである。しかし 高高度で長時間飛ぶ為に極限まで軽い機体が求められる。主車輪は細い胴体のスペースを遣り繰りして一列に収めている。其の為タキシングの際はどうしても両翼端に補助輪が無ければ安定しない。だから補助輪で両翼を支える為スタッフの助けが必要になってしまうが、そんな所に偵察任務に徹する機体として何を優先するのか徹底さが伺える。
7月6日午前07:53 いよいよオーサンへの帰投が始まった。この日は朝早くから地元も含め10人ぐらいのマニアがU-2Sのお出ましを待っていた。7月6日と7日の両日で2機ずつオーサンへ帰って行くだろうと言う誰かさんの予想はぴったり当たって、最初に帰って行ったのがこのBB-084(80-1084)だった。但し、午前中に2機とも帰るという予想は外れ、ノーズコーンの付け替え作業等で、もう1機BB-069は夕方まで動きがなかった。
この機首に装着された「長い鼻」は、合成開口レーダー「ASARS‐Ⅱ」と呼ばれる機器が収納されている。このセンサーは全天候型で高解像度マルチモードらしい。レイセオン社が開発したものであるが、未だに開発作業は続けられており、常に進化している部分だそうだ。地上を移動する物体を捉える検出能力は抜群で、収集されたイメージ画像はリアルタイムでデータ転送できる。
U-2's Page
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新聞報道によると、当初嘉手納基地に展開したU-2部隊は、元P-3CやP-8Aがいたネービーエリアに機材を置いて、そこでエンジンも始動していたそうである。恐らく日本の思いやり予算と言う金で作られた新しいネービーエリアにより騒音が無くなると期待した地元自治体は、このU-2Sの展開場所に腹を立て猛烈な抗議をしたようである。本来はP-3のエンジン音よりずっと大人しいU-2Sのエンジン音・・・離陸をそこでするわけではないので、始動のエンジン音は気になる程ではないはずだが、自治体の予想外の抗議に反応してエンジンのスタートアップは、KC-135などが並んでいるエリアで行うことになったらしい。航空マニアからすればネービーエリアは、部隊の様子も掌握でき、撮影も可能な絶好の位置ではあったが残念なことになった。
他のページでも書いたが、U-2Sは補助輪を付けていることもあり、何台かの支援車両を伴って離着陸をする。白いカマロ(スピードとダッシュ力があるので伴走に適している)と軍のピックアップトラックの2台が必ず付いてくる。
ASARS‐Ⅱのシリーズでは最新型としてASARS-ⅡBがあり、この最新型には最先端の電子走査アレイ(AESA)レーダー技術が活用され、検出範囲の拡大と画質の向上がミッションを一段とサポートしている。
09:47 嘉手納を離陸して行ったU-2S(80-084)、この機体は、2009年3月に単機で嘉手納展開した事がある。この時は背中にキノコをつけており、私にとっては最初のキノコ付U-2Sの撮影経験だった。離陸時間が午前09:40過ぎでは帰ってくるのは夜だろうと、地元のマニア諸氏は着陸の撮影を諦めていたが、これも予想に反し日の明るいうちに戻ってきたのである。
7月5日17:11 嘉手納基地に戻ってきたU-2S(80-084)、この時期の沖縄は夕方19時台でもまだ明るいので、17時過ぎは撮影に充分な明るさがある。BB-066と同様 R/W23-Rightでの着陸のため、道の駅から撮影することにした。一連の着陸シーンは夏場の此処でしか撮れない貴重なチャンスである。
Wings
2017年7月5日BB-066に次いで、09:38頃離陸のため姿を現したU-2S、今度は何番であろうか?・・・背中の衛星通信用アンテナはつけていないようだ。
このU-2Sは、BB-084(80-1084)であった。ノーズコーンは先ほどのBB-066と同じの型であり、この機体もミッション飛行である。北の将軍様が、7月4日のアメリカ独立記念日のお祝いとか言ってICBMを発射した為、その関係の偵察かもしれない。